外国人からの通報、正確に聞き取り 鈴鹿市消防が119番対応訓練

【通報訓練に参加する留学生=鈴鹿市住吉2丁目の鈴鹿オフィスワーク医療福祉専門学校で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市消防本部による外国人からの119番通報対応訓練が17日、同市住吉2丁目の鈴鹿オフィスワーク医療福祉専門学校であり、在学中の留学生4人が参加し、火災や救急を想定した電話通報の訓練をした。18日まで。

市によると8月末現在、外国人市民が9531人おり、全体の約5パーセントを占める。昨年はそのうち、334人が救急搬送されたという。

外国人からの119番通報は現在、民間の三者間同時通訳サービスを利用し、通訳を介して聞き取りをしているが、正確な情報を得るために通常より多くの時間を要するという。

通報対応訓練は情報指令課員の技術向上と外国人市民の意識啓発を目的に、ことしで2回目。

この日は、ベトナムとネパールから留学した1年生が参加。1人ずつ順番に、自宅周辺で発生した火災や交通事故の設定を基に119番通報した。ネパール国籍のスワヌル・サムラットさん(20)は「初めての119番通報で緊張した。日本語で説明するのは難しかった」と話した。

電話を受けた情報指令課員には設定内容を事前に知らせておらず、聞き取りのみで現場の位置や状況についての正確な情報を得た。

通訳サービスを介しても言語での意思疎通には時間がかかり、通常の3倍程度を要する。同課の飯田行信課長は「日本人からの通報に比べ、正確な情報がつかみにくく時間がかかってしまう。スピードよりも正確な情報を目指すため、今後も訓練は継続していく必要がある」と話した。