2023年10月17日(火)

▼9月の各報道機関の世論調査でのあまりの不人気を打開しようしたのも理由の一つだった岸田文雄首相の経済対策だったが、共同通信社の世論調査は、まとめる前に「期待しない」が58%。内閣支持率も前回を7・5ポイント下げて過去最低の32%。今回は何をしたというわけでもないから、つくづく人気には縁のない

▼モリ・カケ・サクラなど、へきえきとさせられた安倍晋三内閣より支持率が低いのは不思議だが、“判官びいき”という国民性にとって、非業の死も大きく関係しているのかもしれない。ともあれ、不人気は岸田首相に必ずしも悪いことばかりではない。強力な後継者が現れないということも、首相を継続すること以外、死守したいほどの政策がないことが露呈しつつある岸田首相にとって大きなメリットではないか

▼地方政治では、強烈な個性で市民を引っ張るリーダーもいるが、それとは真逆のタイプの方が案外支持が根強い。「あいつはよくオレを言うことを聞くから、変に有能なのが出てくるよりいい」と、何もしないという評価の現職を議会のボスが語ったという話がある。みんなにそう思われる現職は選挙に強い。要は、バランスだ

▼全国紙の中には支持率が連続25%というのもあった。30%以下が内閣にとって危険水域と言われたが、権謀術策渦巻いた中央政界も、議員は続けたいが議長は辞めたいという政治家が出る時代だ。地方政治並みになったのかもしれない

▼議会の一部から高い評価の声が上がった一見勝之知事がどうというのではない。が、見渡せば思い当たるリーダーなしとはしない。