
薬剤師となり約42年。昨年6月まで三重県薬剤師会の会長を務め、医薬分業の定着や地域住民らの保健衛生の向上に取り組んだほか、健康の保持増進と薬の正しい使い方の啓発などに努めた。「晴れがましく光栄なこと。薬剤師会の会員や協力してくれる近隣の薬局を代表していただいたと思っている」と笑顔で話す。
県立志摩病院で10年間勤務後、家業の薬局を継ぎ、現在は志摩市や南伊勢町で計6軒の薬局を経営する。県薬剤師会では、組織を強化し薬剤師の資質を向上させるため、県病院薬剤師会会員の理解を得て、県薬剤師会への入会を実現。「2つの会が連携することにより、研修会や研究が一緒にできるので活動の幅が広がる」と期待する。
薬局機能を備えた災害対策医薬品供給車両「モバイルファーマシー」の整備を県に呼びかけるなど、災害対策の確立にも尽力し、能登半島地震の時には、同車両と薬剤師会の会員が被災地に派遣された。
平成20年に鈴鹿医療科学大学に三重県初となる薬学部が新設された時には、開設の準備段階から協力。実習受け入れ薬局の一つとして県内外の学生を受け入れるなど、人材育成にも力を入れている。
現在も地域に密着した薬局を目指し、南伊勢町の薬局で業務にいそしむ。平成7年から同町の学校薬剤師となり、環境衛生の維持・管理に努めるほか、薬の正しい使い方を子どもらに伝えている。
「今後は現場からだんだん遠のくと思うが、少しでも薬剤師の業務に携わりながら、地域に貢献できれば」と話した。
〈略歴〉昭和56年に京都薬科大学を卒業。県立志摩病院で勤務後、家業の薬局を継いだ。県薬剤師会の副会長を13年、会長は10年間務め、現在は同会顧問。