一次産業の人材確保へ 尾鷲市とディップ連携協定

【連携協定を結んだ加藤市長(左)と冨田CEO(尾鷲市提供)】

【尾鷲】三重県の尾鷲市とディップ(東京都港区)は24日、一次産業の人材確保に向けた連携協定を締結した。同社が運営するサービスを活用し、持続的な雇用創出を通じて地域振興につなげる。

市は3月中旬、市有林の適切な管理による二酸化炭素(CO2)の吸収量を「Jクレジット」として初めて認証された。民有林を含めた整備の本格化を見据え、林業従事者の確保を図っていた。

協定では、市が同社の求人情報サービス「バイトル」「スポットバイトル」を利用し、市内外から従事者を募集。多地域居住やワーケーションなどの形態で、長期雇用の体制面でも連携する。

人口減少や高齢化に伴い、市内の林業従事者は令和2年、平成以降初めて200人を割った。募集内容は木材運搬や草刈りとなる予定で、専門分野以外の人員をアルバイトなどで充当する狙い。

市水産農林課の芝山有朋課長は「継続的にJクレジットを取得するための第一歩。繰り返し従事する人材が出てきてほしい。安心安全に作業できるよう、受け入れ体制も整えたい」と話した。

市は、生物多様性の損失を防ぐ自然環境の在り方「ネイチャーポジティブ」を進めている。昨年12月、同社など十者による「ネイチャーポジティブ会議」で、両者間の連携を協議していた。