
【四日市】三重県四日市市あかつき台2丁目の建設会社「中村組」を起点に、同市八郷地区で25日、四日市看護医療大学の「公衆衛生看護活動論Ⅲ」の授業の一環として、地区踏査演習が行われた。
保健師課程を選択した4年生50人と教員5人が11グループ、7地区に分かれて「町を見る」演習をした。地域の健康課題の抽出方法を知り、課題の優先順位決定方法を理解した上で、地域の人々と協働して健康課題を解決・改善する意義を理解するのが授業の目標。
同演習は、地域の実態を把握・整理し、市の実態と関連づけて述べられるようになるのが目標で、実施は2年ぶり。

学生らは八郷西地区自治会協議会の鶴岡勝彦会長の講義を聴講し、概要を知った上で出発。地域住民と地区を歩き、家屋と街並み、交通事情など地区の環境を把握し、記録したほか、地域住民から地区での生活について聞き取って情報を収集、統合し、地区概要を捉えた。
学生9人と教員1人のグループは、鶴岡会長らの誘導であかつき台1丁目を踏査。鶴岡会長はごみ置き場など町内を案内し「車を使ってごみを捨てに行く人が多いが、高齢者は車を使わなくなっているから大変」と話した。学生の「困りごとは」との質問には「バスは便利だが本数が少なく、車に乗れない高齢者は不便さを感じることもある。歩いていけるスーパーがなく、お年寄りの足がないのが問題」と答えていた。
同大学の中村眞弓講師は「学生が自分の足で歩き、見て気付き、地域の方と交流して住民の生の声を聞けて、学内の学びとは違う、非常に良い学びができている」とし、「地域の方がここまで協力的なのもなかなかなく、目的を達成できる地区踏査だと思う」と話していた。