任期満了に伴う三重県の鳥羽市長選(13日投票、14日開票)で初当選した小竹篤市長。選挙戦では、「変革のスイッチを入れる」をスローガンに多くの市民の支持を集め、現新2人の候補者との三つどもえの戦いを制した。新たに鳥羽市のかじ取りを担う小竹市長に、市政運営や今後の抱負などを聞いた。
―市長選を振り返って。
選挙の経験もなく素人集団で戦った市長選だったが、たくさんの人に助けていただき、感謝している。市民の期待の大きさをひしひしと感じており、「しっかりやらないかんな」と改めて責任の重さを感じている。
―現職らに大差をつけての初当選。勝因は何か。
候補者は3人いたが、「鳥羽を変えよう」という信念が一番強かったのが私だと市民が判断されたのかなと思う。
―市政運営について。
選挙戦で地域をつぶさに歩かせてもらったが、高齢化や空き家の対策が必要だと感じた。当初は子育て支援や若者世帯の定住、子どもたちの居場所づくりをメインにしていたが、そこだけでは足りないと思い、老若男女や障害の有無にかかわらず、「みんなの居場所をつくる」というコンセプトで市政運営をしたいと改めて思った。これから、小中学校の給食費無償化の継続や高校生までの医療費無償化、学童保育の開設、ガリバー公園(市民の森公園)の再構築などに補正予算を組んで取り組みたい。
―何を一番に進めるのか。
第一の公約に挙げていた鳥羽駅周辺の再開発をやっていきたい。パールビル(平成20年に閉館した駅前の商業施設)については選挙でも一番アピールし、具体的に言っていたのが私。「小竹がきっとパールビルを解体してくれるんじゃないか」という期待が大きく、支持があったと思う。今後はパールビルの地権者と私が直接交渉し、市民に分かりやすくオープンにしてやっていきたい。
―鳥羽をどのように変えていくのか。
鳥羽の人口減少が激しいのは数字で分かっているので、希望の持てないまちになっている。しかし、鳥羽はポテンシャルが高いと思うので、それを生かすように計画的なまちづくりをしたい。市民の声をしっかりと聞き、寄り添っていく市政運営をしていきたい。
―今後の抱負は。
選挙では思っていた以上の票をいただき、うれしい反面、責任の重さを感じているが、今では「これもやろう、あれもやろう」というわくわく感に変わってきている。明確な言葉で夢を語り、それを一歩一歩実現していきたい。伊勢神宮の式年遷宮が行われる2033年に鳥羽市に500万人の観光客が訪れ、200万人が宿泊することを目指し、鳥羽駅前の再開発を進めたい。