伊勢新聞

比国籍男に17年求刑 中国人女性殺人事件、津地裁論告公判

昨年4月に四日市市の雑木林で中国人女性の遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われたフィリピン国籍で菰野町菰野、工員ジュニ・ジェルビン・ベルナデス被告(32)の裁判員裁判が22日、津地裁(西前征志裁判長)であった。検察側が懲役17年を求刑して結審し、判決は25日に言い渡される。

検察側は「不倫関係にあった被害者の首を約5分にわたって絞め続け、強固な殺意に基づく悪質な犯行。殺害後は警察や職場への発覚を恐れ、遺体を雑木林に放置した」と指摘した。

その上で「被害者との不倫関係を清算するために別れ話を切り出したが、応じてもらえなかったことに腹を立てて犯行に及んだ」と説明。「動機は身勝手で、酌むべき事情はない」と強調した。

弁護側は「殺害のきっかけは被害者の脅迫的な発言。被告が最も大切にしている家族に危害を加えかねない発言で、被害者にも一定の落ち度がある」と主張。「突発的な犯行で悪質の程度は低い」として、寛大な判決を求めた。

起訴状などによると、ジュニ被告は令和5年7月22日ごろ、四日市市内に止めた車の中で、中国籍で同市まきの木台1丁目、工員(赵霞,ジャオシャア)さん=当時(36)=の首を絞めて殺害。遺体を同市中野町の雑木林に遺棄したとされる。