インバウンドや国際会議の誘致強化 本年度の行動計画を策定、県が観光誘客推進会議

【本年度の行動計画を確認する県幹部ら=県庁で】

三重県観光部は22日、幹部らでつくる観光誘客推進会議で、観光振興に向けた本年度のアクションプラン(行動計画)を報告した。コロナ禍からの回復が低調なインバウンド(訪日客)や国際会議の誘致に向けた取り組みを強化している。

県によると、プランは昨年度からの3年間を対象期間とする観光振興基本計画の実効性を高めるために策定。年度ごとの数値目標や過去の実績、取り組みの具体的な方向性などを記した。

昨年中の外国人宿泊者数は延べ24万人で、昨年中の目標(38万9千人)の約6割にとどまった。昨年中に県内で開かれた国際会議も3件にとどまり、目標の9件を大幅に下回った。

プランには、近隣県への旅行を計画している人への広告配信に加え、観光や物産、食を一体にしたプロモーションなどに取り組むと明記。インバウンド誘客に特化した戦略も策定する。

このほか、開催中の大阪・関西万博を契機とした誘客や交通事業者と連携した企画切符などの販売促進、ポケモンと連携した誘客などを、取り組みの主な方向性として掲げた。

主目標の観光消費額は5560億円。前年の目標から430億円引き上げた。前年の実績は集計中で、6月中にも公表する。来年の観光消費額は6千億―7千億円を目指している。

松下功一雇用経済部長は、県が大阪・関西万博に設けたブースの来場者が13日の開設から21日までの間に約2万7800人に上ると報告。「引き続き県の魅力発信に努めたい」とした。

一見勝之知事は「全国最下位レベル」だったインバウンド回復率が今年1月分は40位に上昇したと紹介した上で「頑張れば良くなる」と激励。万博を契機とした来県の呼びかけも指示した。