伊勢新聞

三社殿前で舞奉納 津・倭白山比咩神社で春季例大祭 地元女子児童ら 三重

【県指定文化財の三社殿の前で奉納舞をする阪本さん(右)と豊田さん=津市白山町南出の倭白山比咩神社で】

【津】三重県津市白山町南出の倭白山比咩(やまとしらやまひめ)神社で20日、春季例大祭があり、市立倭小6年の女子児童2人が雅楽演奏に合わせ舞を奉納した。

同神社は県指定文化財で檜皮葺(ひわだぶき)の三社殿が並ぶ。平成21年完成の大修理に合わせ途絶えていた神楽と奉納舞を復活させた。

拝殿では倭雅楽継承会(森元澄生会長)の笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の音が響く中神事があり、地元の関係者らが五穀豊穣と氏子の健康を祈願した。

舞は三社殿を背景に朱塗りの欄干で囲った特設舞台で奉納され、阪本里奈さん(11)と豊田悠那さん(11)が緋(ひ)色のはかま姿でサカキや鉾鈴(ほこすず)を手に「豊栄の舞」と「浦安の舞」を披露。奉納後は参拝者に向かって紅白餅や菓子をまいた。

友人家族の誘いで娘と訪れた町井菜月さん(41)=同市南が丘=は「地元出身で社殿は知っているが30年前奉納舞はなかったので驚いた。復活させた方がすごい」と話した。

千馬徹・倭自治協議会会長(69)は「氏子の減少で『地元の氏神』という認識は薄れてきている。貴重な財産をどう維持していくかが課題」と述べた。