三重県警「NSX」パト導入 滋賀の会社社長寄贈、2代目は全国初

【小林社長(右から3人目)から寄贈されたNSXのパトカー=鈴鹿サーキットで】

三重県警は21日、ホンダの高級スポーツカー「NSX」を使ったパトカーを導入した。県警によると、平成28年から令和4年まで生産された2代目NSXをパトカーとして導入するのは全国初めて。県警は広報活動などに利用するという。

パトカーは令和元年に生産された「CAA―NC1」を白と黒に塗り直した。2人乗りで排気量は3500cc、車両価格は改造費込みで約2500万円。不動産会社スマート(滋賀県草津市)の小林俊也社長(43)が県警に寄贈した。

昨年6月に鈴鹿サーキットであった自動車レース「スーパーGT」の観戦に訪れた小林社長が、採用活動でサーキットを訪れていた県警の警察官に「鈴鹿サーキットでNSXのパトカーが走ってくれたら」という思いで寄贈を申し出たという。

県警は21日、鈴鹿サーキットで寄贈式を開き、小林社長は「パトカーが県民に愛され、県警の活動に貢献してほしい」とあいさつ。敦澤洋司本部長が「効果的に活用する」と謝辞を述べ、小林社長からセレモニー用の鍵を受け取った。

小林社長は式後の取材に「自分がよく行くサーキットで、このパトカーが走ってほしいと思っていた。子どもたちが見て、将来、警察官になりたいと思ってくれたらうれしい」と話した。

県警の高速隊員が運転するデモ走行で、パトカーは大きなエンジン音を響かせながら、時速100キロを超える速度でサーキットのコースを疾走した。

県警は今後、高速隊に配備して広報活動に使用するほか、高速道路での取り締まりなどにも用いるという。県警は「取り締まりに支障が出る」として最高速度を明らかにしていない。