NTNの源裕貴、世界陸上出場目指す 男子800メートル日本歴代2位タイ記録

【源裕貴(NTN)】

4月に入り、陸上競技のトラックシーズンが本格化した。今年9月には都内で第20回世界選手権大会が開催され、2007年の大阪大会以来の国内開催となる世界陸上の切符を目指すアスリートたちが各地で行われる日本グランプリシリーズに出場し、自己記録の更新に努めている。

女子35キロ競歩で22年ユージーン大会、23年ブダペスト大会に出場した園田世玲奈らが所属しているNTN(桑名市)では、男子800メートルで日本歴代2位タイの記録を持つ源裕貴(25)=山口県出身=も自身初の世界陸上出場を目標に掲げて各地を転戦中だ。

岡山・環太平洋大4年時の2021年に当時日本記録タイの1分45秒75をマークして注目された。入社後2年間はけがの影響で十分な練習が積めなかったが、3年目の昨年から落ち着いて練習に取り組めるようになった。昨年9月には山口県で開かれた全日本実業団対抗で初優勝している。

持ち味は最終コーナーからのラストスパート。出身地の山口で入社後初タイトルを獲得した全日本実業団対抗では、会場に駆けつけた家族の応援にも背中を押されて「走りは重たかったが、最後まで気持ちの入ったレースができた」。

昨年のシーズンベストは1分48秒16にとどまるが「せっかくのチャンスがあるので世界陸上を狙いに行きたい」。ニューイヤー駅伝に出場するチームメートに混じって有酸素系トレーニングも積んだ冬場の練習の成果も発揮して「(ゴールまで)残り200メートルをどれだけ気持ち良く上げられるかが勝負。のびのびとした走りを皆に見せたい」と話している。