東海エリアの各県・地区のリーグから勝ち上がった社会人サッカーチームで構成される、東海サッカーリーグ(旧東海社会人サッカーリーグ)が19日に開幕する。1部リーグ、2部リーグに各8チームが出場し、9月までホーム&アウエー方式で対戦。1部はJリーグ1部(J1)から見て4部に相当するアマ国内最高峰リーグ・日本フットボールリーグ(JFL)と直結している。
三重県内からは1部に、中南勢地区が活動拠点のFC ISE―SHIMA(FC伊勢志摩)、中勢地区が拠点のVENCEDOR(ベンセドール) MIE UNITED CLUB(VMEC)の2チームが出場する。県勢2チームの1部参戦は7年ぶりで、開幕週の今月20日に、伊勢フットボールヴィレッジ(伊勢市)でいきなり直接対決が実現する。両チームの横顔や意気込みを紹介する。
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三重県・中南部からJリーグ入りを目指す社会人サッカークラブとして2012年に設立されたFC伊勢志摩。「スポーツを通じて三重県・中南部地域に夢と感動を創出し人づくり・まちづくり・自然に貢献する」がコンセプトで、現在松阪市以南の市町をホームタウンとしている。
理事長は四日市中央工高サッカー部出身で元日本代表の小倉隆史氏。指揮を執る金守智哉監督も四中工OBの元Jリーガーと、県ゆかりの選手・スタッフが多いのも特徴だ。
東海1部には16年から参戦し、JFL入りが懸かる全国地域チャンピオンズリーグには昨年を含めて2度進出。昨季は初めて東海1部リーグ優勝も果たし、チーム最多の11ゴールを挙げた宇治山田商OBのFW濱田竜輝はリーグ得点王に輝いた。
今季は新たにJリーグ経験者も加えて悲願のJFL昇格を誓う。J3のFC岐阜から新加入した四中工出身のDF和田侑樹主将も「FC伊勢志摩の歴史を変える1年にする」と意気盛んだ。
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19年の三重県リーグ初参入後一度も降格を経験することなく昇格を続けてきたVMEC。昨年東海社会人リーグ2部で2位となり、今年、創設後初の東海1部を戦う。
津市出身で、中京大時代から国内外のチームを渡り歩き、J1のアルビレックス新潟に所属したこともある岩崎陽平代表の掲げるスローガンは「サッカーで飯を食う」。選手のキャリア形成を最優先するチームコンセプトが最大の特色で、今季は国内外から40人を超す選手が集まった。
福岡県出身でFC大阪などにも所属したMF森山真伍主将は「東海1部で戦えること、チームの方針として個人のステップアップを重視してくれているところに引かれた」と話す。
チームの認知度向上が選手の評価にもつながると組織固めにも力を入れ、2年前からJFLのFCマルヤス岡崎など率いた大江基允監督が指揮を執る。「やるからには優勝を目指す」と話す指揮官は「攻守において自分のアクションを起こしてチャレンジできることを一番に求めていきたい」と話している。