▼トランプ関税に対する交渉が、日本が先頭バッターで始まった。しかし、いったい何を交渉するのか? ホワイトハウスの庭でトランプ大統領が得意気に掲げたボードの数字は、ノーベル賞学者も驚く根拠レス。着地点が全く見えてこない
▼すでに自動車関税25%、鉄鋼・アルミ関税25%、相互関税10%は発動中だ。相互関税の日本上乗せ分14%を下げられればいいのか? そのために手土産を献上する。それで何が得られるのか?
▼日本の後ろには、日本以上に上乗せされたベトナム、タイなどの東南アジア諸国、報復をいったん中止したEUなどが控えている。下手な妥協をすれば、世界の自由貿易体制は崩壊し、他国の恨みを買ってしまう
▼トランプ大統領がやっているのは、「アンカリング効果」を狙った交渉術。ビジネススクールならどこでも教えている単純な方法だ。要するに、最初に大きくふっかけて、それを引き下げて相手にうまくいったと錯覚させる方法。ヤクザのやり口と同じだ。無意味な譲歩などせず、のらりくらりで交渉を引き伸ばすのはどうか。いずれ、トランプ大統領は失権し、関税政策は破綻する。