
三重県は16日、県の発展などに貢献した県民に贈る「県民功労者」の表彰式を県庁講堂で開いた。元県議会議長の前野和美氏(76)ら8人と1団体が一見勝之知事から表彰状を受け取った。
一見知事は式辞で「たゆまぬ努力で県の発展に貢献した皆さんの功績は誠に大きい」とたたえた上で「三重の子どもたちが笑顔で暮らせるよう、引き続き活躍していただきたい」と述べた。
稲垣昭義県議会議長は祝辞で、南海トラフ地震や人口減などへの対応を「喫緊の課題」とした上で「今後も後進の模範として、優れた識見と豊かな経験で力添えを賜りたい」と述べた。
前野氏は式後の取材に「支えてもらった皆さんのおかげ。ありがたい」と語った。「残りの人生は自分のために使い切りたい」と、現在は農業をしながら釣りなどの趣味に励んでいるという。
元県環境審議会委員の朴恵淑氏(70)は全国に先駆けてレジ袋の削減に取り組んできたことを振り返った上で「持続可能な社会に向け、これからも皆と一緒に歩んでいきたい」と話していた。
元県医師会長の二井栄氏(73)は新型コロナウイルス感染症への対応に尽力した。取材には産婦人科が減少する現状を危惧した上で「県内でのお産が途絶えないように頑張っていく」と語った。
県によると、県民功労者表彰は各界で模範となる県民に贈る最高位の知事表彰として昭和40年に制度化し、今年で61回目。受章者は今回を含めて613人、9団体となった。
3氏のほかに表彰を受けたのは次の皆さん。
髙臣文祥(78)(元高田学苑理事長・学苑長)▽ヴォーカルアンサンブル《EST》▽三橋十九生(81)(元神明真珠養殖漁業協同組合長)▽朝尾高明(76)(県中小企業団体中央会理事)▽山下晃(81)(アイトム建設会長)▽中誠太郎(72)(警察犬指導手)