茶の豊作願い振興式 四日市茶業連合会と冠山茶の木原保存会 三重

【玉串をささげる参列者ら=四日市市水沢町宮妻の冠山茶の木原で】

【四日市】茶の収穫時季を前に、四日市茶業連合会(矢田宗久会長)と「冠山茶の木原保存会」(鎌田隆郎会長)は16日、三重県四日市市水沢町宮妻の水沢茶発祥地「冠山茶の木原」で、茶業の発展と豊作を祈念する茶業振興式を開いた。茶農協役員、保存会員、市職員ら11人が参列した。

冠山茶の木原は、山中に古い樹齢の茶の原木が残る地域で、水沢茶発祥の地と伝えられている。昭和56年、地場産業初の史跡として、市が記念物に指定。それを機に保存会が組織され維持管理に当たっている。

水沢茶の歴史は古く、10世紀に飯盛山浄林寺(現一乗寺)の住職が空海によって中国(唐)から伝えられた茶の木を植えたのが始まりといわれている。

式では、山海の幸や茶の枝を供えた祭壇を前に、地元の足見田神社の横山正純宮司が、先人への感謝と今年の茶業振興を願う祝詞を奏上した。参列者が玉串をささげた後、かぶせ茶で乾杯した。

茶の収穫は今月末から始まり、5月初旬から新茶が店頭に並ぶ。矢田会長は「昨年以上に順調に育っており、良いお茶ができると期待している」と話した。