【尾鷲】三重県尾鷲市早田町で定置網漁を営む「早田大敷」が、第30回全国青年・女性漁業者交流大会に初出場し、漁業経営改善部門で水産庁長官賞に輝いた。就労環境を見直し、担い手不足を解消した点が評価された。
同大会は全国漁業協同組合連合会が主催し、青年・女性漁業者が研究や実践活動の成果を発表する。同社は県大会で最高賞の知事賞を受賞。3月の全国大会では、同部門に6団体が参加し、2位相当の評価を受けた。
町はブリの定置網漁を主産業とする。漁業者の減少が深刻化する中、同社は漁業協同組合や市と連携し、平成24年に人材育成機関「早田漁師塾」を開校。これまでに11人が入塾し、3人が町内で漁業に携わる。
4週間の研修では定置網の漁業体験や、町民らとの交流などを経験。町全体で就労環境を整えたことで、同社乗組員の平均年齢が大幅に若返ったほか、初の女性漁師が誕生するなど、長年の地域課題を解決に導いた。
10日に同社関係者らが市役所を訪ね、加藤千速市長に受賞を報告。約9年前から漁労長を務める中井恭佑さん(36)は「高齢化が進む町で、どう外部から人を集めたかをアピールできた。今度は1位を狙う」と話した。