馬琴の書簡や小霞作品 松阪市立歴史民俗資料館が企画展「殿村家の人々」 三重

【殿村小霞の作品が並ぶ企画展「殿村家の人々」=松阪市殿町の歴史民俗資料館で】

【松阪】三重県松阪市殿町の同市立歴史民俗資料館はこのほど、企画展「殿村家の人々~馬琴の理解者安守から日本画家小霞まで~」を始めた。会期は5月25日まで。入館料は一般150円、6―18歳70円。

松阪商人の殿村家は同市中町に邸宅を置き、江戸大伝馬町で木綿問屋を、松阪で両替商を営んだ。当主は文化活動にも力を入れ、本居宣長門人の中心的存在だった安守は「南総里見八犬伝」を書いた曲亭馬琴と交友関係があり、明治生まれの小霞は日本画家として活躍した。

企画展では、馬琴が安守へ「本が多く売れたので版元が大喜びしている」と報告した書簡など47点を出品。県内に残る小霞の作品を11点集め、「牡丹(ぼたん)に蝶(ちょう)図」や「薊(あざみ)に蛇と蛙(かえる)図」などの掛け軸を披露している。

同館は「小霞は植物が得意。作品を紹介したいと思い、コレクターから借り出した」とPRしている。

サブ展示として大阪・関西万博開催記念「昭和の日本万国博覧会展」を開いている。中止された昭和15年の万博入場券など4種11点が並ぶ。