
三重県は9日、大阪市此花区夢洲で13日に開幕する大阪・関西万博に設けたブースを報道関係者に公開した。映像だけでなく、音や香りなど、五感に訴える形で県の魅力をアピール。期間中は宝刀「村正」などの特別展示も予定している。
県のブースは関西広域連合が運営する「関西パビリオン」に設置し、面積は約160平方メートル。出会う▽知る▽旅立つ―のコンセプトで三重の魅力を紹介し、来県を呼びかけている。
入り口に設けた「時のトンネル」では、夫婦岩や鈴鹿サーキットなどの観光名所を地面に投影。トンネルを形作る400枚の鏡に映像を反射させ、万華鏡の中にいるような空間を演出する。
壁面の引き出しを引くと、手裏剣やオオサンショウウオの模型などの品々が登場する仕掛けも。赤目四十八滝の音を聞いたり、県産日本酒の香りを楽しんだりすることもできる。
タッチパネルで県の観光地や名産品などを調べることができるコーナーも設けた。ブースでは、忍者をコンセプトにした制服を着たアテンダントに県の魅力などを尋ねることもできる。

期間限定での展示も予定。5月10日からは熊野古道、同月29日からは伊勢神宮内宮の正殿鰹木、7月1日からは宝刀村正、同月24日からはミキモト真珠島の「自由の鐘」を展示する。

この日のセレモニーで服部浩副知事は「県内の地域ごとに特色をアピールできている」と評価。「ブースをきっかけに、1回や2回と言わず何度も来県してもらえるようにしたい」と語った。
また、政府は大阪・関西万博の「日本館」に、伊勢神宮(伊勢市)の式年遷宮を漫画で紹介するコーナーを設けた。ドラえもんが20年に一度、社殿を建て替えることなどを解説している。
ドラえもんがタイムマシンで過去に向かい、1300年前から式年遷宮が続いていることや、職人の技が継承されていることを知るストーリー。伊勢神宮の起源や歴史も合わせて紹介している。
担当者によると、式年遷宮は日本館の「ファクトリーエリア」で紹介。このエリアがテーマとする「循環型ものづくり」に式年遷宮の考え方が合致したことから、展示に採用したという。