【津】岡三加藤文化振興財団(三重県津市中央、新堂弘幸理事長)は8日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津で令和7年度の助成金授与式を開き、県内での科学技術研究や文化活動などに取り組む研究者ら31人に計2千万円を助成した。
同財団は岡三証券発祥の地の三重の福祉と文化の向上に貢献しようと昭和63年の同社創業65周年記念に創立。保有する同社の株の配当を原資に助成事業を展開している。
本年度は70件の応募から、県における科学技術に関する研究助成19件(1300万円)▽県における科学知識の普及啓発に関する助成4件(100万円)▽県における文化活動に関する助成8件(600万円)を選んだ。選考委員長は吉岡基・三重大元理事が務めた。
式では新堂理事長が一人一人に目録を渡し「第1回から今回の38回までで約5億6303万円を助成した。助成を役立て大きな成果を上げて」と激励した。
県農業研究所の田中千晴主幹研究員兼課長(50)は、温暖化においてサツキの苗木の生育に必要な水資源の試算のための助成を初めて受け「目の前の課題解決の費用は準備できるが遠い将来を見据えたものは難しいので、助成の機会は大変ありがたい」と感想を述べた。