小津監督生誕120年事業「すごく盛り上がった」 協議会、三重県知事に活動報告

【一見知事(左から4人目)に活動を報告した協議会のメンバー=県庁で】

「東京物語」などで知られ、青春時代を三重県内で過ごした小津安二郎監督の「生誕120年三重連絡協議会」の関係者らが8日、記念事業を記録した冊子を一見勝之知事に手渡した。

県によると、協議会は小津監督や作品の魅力を継承することなどを目的として、小津監督の生誕120年と没後60年を翌年に控えた令和4年に設立。県内の4団体で構成している。

設立後は「東京物語」や「秋刀魚の味」など、小津監督の作品を県内各地で上映してきた。小津監督を振り返るトークイベントや小津監督ゆかりの地を巡るウォーキングも開いた。

県庁を訪れた協議会の田川敏夫会長は、小津監督を「三重が生んだ世界的な映画監督。松尾芭蕉や本居宣長に匹敵する」と強調。記念事業は「すごく盛り上がった」と振り返った。

一見知事は「小津監督は有名だが、県にゆかりがあることを知事になるまで知らなかった」とした上で「小津監督の功績を広く分かってもらえるようにしていきたい」と話した。

小津監督は東京都深川(現江東区)で生まれた。9歳から約10年間を松阪市で過ごし、代用教員を務めた。大正12年、松竹キネマ蒲田撮影所に入社。「晩春」「麦秋」などの名作を生み出した。