鳥羽海上保安部と中部電力パワーグリッドは7日、三重県鳥羽市内で離島での災害時電力復旧迅速化に向けた連携訓練を実施した。鳥羽海上保安部と中部電力パワーグリッド伊勢営業所から集まった18人が鳥羽海上保安部の巡視艇「しまなみ」に乗船し、佐田浜巡視艇桟橋から菅島桟橋まで、電力復旧工事に使用する資機材を運んだ。
今回の訓練は先月24日に第四管区海上保安部と中部電力、中部電力パワーグリッドで締結した迅速かつ円滑な災害応急対策を目的とした連携協定に基づくもので、南海トラフ巨大地震など大規模災害により離島の菅島で停電が発生したことを想定した。
開会式で中部電力パワーグリッド伊勢営業所の岡野直高所長は「実践的な訓練を通じて相互協力の重要性を認識し、実際の災害時に備えたスキルと知識を深めてほしい」とあいさつ。
「訓練開始」の掛け声がかかると、中部電力パワーグリッドの職員が感電を防止する「アースフック」など電力復旧工事に必要な資機材を巡視艇の船橋甲板まで運搬。鳥羽海上保安部の乗船員のアドバイスを受けながら、水しぶきをかぶらないよう資機材にブルーシートをかぶせ、船揺れなどで動かないようロープで固定した。船が菅島の桟橋に到着すると、皆で協力しながら船着場に資機材を積み下ろしていた。
閉会式で鳥羽海上保安部の太田俊之部長は「一連の流れを確認することができた。改善点も見えたが、非常に有意義な訓練になった」と講評した。