伊勢新聞

鳥羽市長選、立候補3氏の横顔 三重

【右から小竹篤候補、山本哲也候補、中村欣一郎候補】

【鳥羽】任期満了に伴う三重県の鳥羽市長選が6日告示され、元市教育長で新人の小竹篤候補(69)=安楽島町=、元市議で新人の山本哲也候補(46)=屋内町、自民党推薦=、現職の中村欣一郎候補(66)=安楽島町、自民党推薦=(いずれも無所属、届け出順)が、13日の投開票に向けて選挙戦を繰り広げている。次の市政を担う3候補の人物像を紹介する。

 

教員での経験を市政に

小竹篤候補(69)無新

鳥羽市内の小中学校などで教壇に立ち、たくさんの子どもらと向き合い、成長を見守ってきた。中学から大学まで野球部だった経験を生かし、鳥羽東中や長岡中の野球部で生徒らを指導。「一生懸命やればやっただけ、生徒や保護者との信頼関係につながるし、やりがいを感じた」と教員生活を振り返る。

定年退職後は、平成29年から教育長として市の教育振興に取り組み、市内の中学校の準制服にユニクロのズボンを採用し、制服を安く買えるシステムづくりなどに尽力した。

趣味は野球、ランニング、旅行。ランニングは56歳の時に病気で手術を受けた後、リハビリを兼ねて始めた。ほぼ毎日走り、お伊勢さんマラソンにも出場する。「自分で目標が立てられるし、一緒に走る仲間ができるので楽しい」と笑顔で話す。

「政治経験がないと言われるが、教員としての経験がある私にしかできないことがある」と主張。当時の教え子や保護者らもSNS(交流サイト)でネットワークをつくり、市長選立候補を応援してくれるという。

座右の銘は「志あれば道は拓ける」という意味の「在志拓道」。安楽島町。

 

「対話する」こと心がけ

山本哲也候補(46)無新

大学卒業後、「まちづくりの仕事がやってみたい」と、鳥羽商工会議所に就職。12年間勤めた後、保険代理店に勤務して独立を目指していたが、36歳の時に市議に立候補して初当選した。

3期10年議員を続け、「何も知らずに飛び込んだ政治の世界。常に『対話する』ことを心がけてきたし、これからも大事にしたい」と話す。議員時代は、議員定数の削減や議会報告会・意見交換会として開く「TOBAミライトーク」を行うなど議会改革に取り組んできた。

仕事を離れると、6歳と8歳の娘を持つ父親の顔に戻る。「子どもと遊ぶのが一番の楽しみ。時間があればもっと一緒にいたい」と笑う。

今回の市長選に出馬することを娘たちに話し、鳥羽が好きかと聞いた時、色よい返事が返ってこなかったという。「自分は鳥羽に帰ってきて鳥羽が大好きになったので、娘にも同じ思いを持ってほしい。そして、たくさんの人に『鳥羽はいいな』と言ってもらえるまちにしていきたい」と意気込む。

学生時代からバスケットボールが好きで、現在は市バスケットボール協会会長を務める。座右の銘は「求められるところには全力で」。屋内町。

 

被災地での支援経験も

中村欣一郎候補(66)無現②

大学卒業後、県外の工作機械メーカーに勤務し、28歳頃に家業の鉄工所に就職。鳥羽青年会議所(JC)で取り組んだまちづくりを継続したいと思い、政治の道を歩み始めた。市議、県議を経て平成29年から2期8年、市長を務める。

イベントが大好きで、公務だけでなくプライベートでもよく顔を出すという。「いろんな人が集まり、テントを建てたり受け付けをしたりと、普段から地域に根付いていることが防災につながる」と力を込める。

JC時代、ボランティアで阪神淡路大震災の被災地支援を行い、「防災に目覚めた」。その後も、ボランティアで東日本大震災や熊本地震などの被災地へ行き、泥かきや片付けを実施。能登半島地震の被災地では、ドラム缶で焼くピザを振る舞った。この経験が、市長になってやりたかった「災害に強いまちづくり」につながっているという。

休日にシーカヤックに乗ることが楽しみの一つ。「鳥羽らしい趣味。海藻の生え具合など海の状態を知ることができる」と笑う。20歳から行う献血は昨年12月で256回となった。「献血は社会貢献の第一歩。若い人にもやってもらいたい」と話した。安楽島町。