伊勢新聞

2025年4月5日(土)

▼桜とともに4月がやって来た。4月と言えば新学期、新年度。入学、進学、入社、異動、転勤など、全てが一新する季節である。しかし、こんな4月は日本だけだ。世界では、新学期、新年度といえば、9月である。とくに学校は夏休み明けの9月に始まる。なぜ日本だけ違うのだろうか?

▼じつは西洋式の学校制度が導入された明治初めは、英独にならって9月入学、進学だった。ところが、明治19年に政府が会計年度を4月―翌年3月としたため、これに合わせるようになったという。では、なぜ会計年度を4月開始としたのだろうか?

▼実は理由ははっきりしない。一つは、江戸時代まで税といえば年貢(コメ)だったからという。つまり、コメを収穫して換金するのが10月ごろで、その後、予算に組み込むまでに時間がかかり、それを考えると4月が妥当だったという。もう一つは、単に当時の覇権国である英国の会計年度に合わせたということ

▼会計年度はいいとして、4月入学、進学、新卒一斉入社などは、このグローバル時代に不便極まりない。世界基準に合わせないと、子どもたちはますますガラパゴス化してしまう。