【尾鷲】新年度を迎えた1日、三重県の尾鷲市役所で辞令交付式が開かれた。新規採用職員11人の出世を願い、成長に応じて呼び名を変える出世魚「ブリ」を贈呈。若手職員の新たな門出を祝った。
熊野灘で春に水揚げされる「春ぶり」を全国に広めようと、令和4年度に始めた。この日贈ったのは、同市早田町沖で揚がった天然ブリ2匹。重さ8キロ、体長80センチと末広がりの数字が並ぶ。
緑の法被を着た水産農林課職員が「ブリ入ります」の掛け声で、会場まで慎重に搬入。新職員を代表し、福祉保健課に配属された市出身の永井心応さん(22)が、加藤千速市長から受け取った。
加藤市長は「ブリと同じく(稚魚の)モジャコに始まり、大きくなって出世して」と激励。永井さんは「しっかり働いて成長という熟成を成し遂げたい。目指せ一流の社会人ブリ」と応じた。
同日、同市林町の水産加工会社「尾鷲物産」の入社式でも、ブリ贈呈式を実施。新入社員5人に今朝水揚げされた重さ5・5キロの自社養殖ブリ1匹が贈られた。切り身にして持ち帰るという。