空き家問題を考える 地域と行政が学習会 亀山の昼生まちづくり協 三重

【地域住民と市職員が参加した「空き家学習会」=亀山市下庄町の昼生地区コミュニティセンターで】

【亀山】三重県にある亀山市昼生地区まちづくり協議会(松尾義久会長)の「昼生の賑(にぎ)わいと未来を考える会」は30日、同市下庄町の昼生地区コミュニティセンターで、初めての試みとなる行政と地域住民による「空き家、空き地について学ぼう」をテーマに学習会を開いた。

学習会には、市の建築住宅、政策推進、環境課から空き家や空き地に関わる担当職員計六人と空き家を持つ住民11人を含む計60人が参加した。

市の担当職員は、特定空家、管理不全空家などの空き家の特別措置法と、将来の財産に対する「死後事務委託契約」や「成年後見制度」のほか、市の制度「空き家情報バンク」などを説明し、「まずは、空き家情報バンクに登録していただき、有効活用による定住促進につなげたい」と呼びかけた。

下庄町に空き家を持つ愛知県刈谷市に住む75歳の男性は「空き家となって約30年経つが、家を継ぐ人もなく、町内に住む実兄が管理している」とし、「兄も高齢となり、今後空き家をどうすればいいのか、解体するにも費用がかかり困っている」と語った。

松尾会長は「高齢化が進む昼生地区にとって、空き家は切実な問題であり、田畑が耕作放棄地にもなる。個人の問題ととらえずに、地域と行政が一体となって考えていく必要がある」と話した。同協議会は、この日の住民らの空き家に関するアンケートをまとめて、次回の学習会の参考にするという。