
開業支援などを行うワンハート三重(名張市)と近畿日本鉄道(大阪市)は27日、観光列車「つどい」内で、県内での飲食業起業をテーマとした「電車de創業塾」を開き、創業を考える人や創業後間もない人など9人が参加した。近鉄四日市駅―宇治山田駅間を走る車内で自らの事業計画を発表したり、先輩起業家の体験談を聞きながら起業について考えた。
塾は、飲食店の開業を増やすことで沿線地域の活性化を図ることや、電車で沿線各地の様子を眺めることでより具体的な起業イメージを持ちながら知識の定着を図ることなどを目的に開催した。
昨年1月鈴鹿市神戸に紅茶専門喫茶店「Stella Tea Time」をオープンした小坂ミカさんが先輩起業家として講演。創業時苦労したことや、鈴鹿市出身で日本人で初めて紅茶を飲んだとされる大黒屋光太夫をモーチーフとした商品販売など地域活性化の取り組みを紹介した。
参加者に向け「地域性を自分の事業に出すと、地域を大切に思う人に対し、自らの思いを伝えていくことができる」と助言していた。
事業計画のプレゼンテーションでは1人2分の制限時間内で、自らがやりたい事業のターゲットやコンセプトなどを紹介していた。
日本政策金融公庫や県信用保証協会の担当者から開業資金調達についての説明もあった。
ワンハート三重の武田秀一副社長は「市町単位を越えた創業セミナーは少ない。地域をまたいだ起業家ネットワーク構築支援を今後もしていければ」と話した。