「記憶と記録」繊細な描写 津で杉野さんが絵画展 三重

【作品を紹介する杉野さん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市出身の作家、杉野郁(かおる)さん(33)の絵画の個展が26日、同市中央の三重画廊で始まった。繊細な描写で表現した物語性ある作品の原画17点と高解像度の複製画10点を展示販売している。30日まで。

杉野さんは武蔵野美大油絵学科を卒業後東京を中心に個展やグループ展で作品を発表。近年は津市を拠点に絵画教室の講師と並行し自身の制作をしている。津市での個展は今回が初めて。

「記憶と記録」を題材に、ペンの線とアクリルガッシュなどでの着彩で独自の世界を展開する。繭の中で眠りから覚めるカイコガをファンタジックに描いた「お目醒(めざ)の庭」、記憶の景色を閉じ込めたガラスドームが収蔵庫に並ぶ「海馬の見本市」、少女が怖い夢を食べてもらいにバクを訪ねる「眠る迄ミルクホール」などがある。

杉野さんは「細かいところを見て探し物をするように楽しんでほしい。見た方の感情が動く装置になるといい」と話した。