多度大社(三重県桑名市多度町)の上げ馬神事を巡り、津地検は25日、馬に暴力的な行為をしたなどとして動物愛護法違反の疑いで書類送検された神事の関係者12人について、11人を嫌疑不十分、1人を容疑者死亡により不起訴処分とした。
地検は嫌疑不十分となった11人について「関係各証拠を精査した結果、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分であった」と説明している。
令和5年5月の神事では、参加した馬1頭が転倒して骨折し、殺処分となった。動物愛護団体が同年10月、動物虐待に当たるとして、同法違反容疑で県警に刑事告発。県警は昨年9月に関係者12人を書類送検した。
多度大社の上げ馬神事は県の無形民俗文化財。若者が馬に乗って坂を駆け上がり、土壁を乗り越えた回数で豊凶を占い、約700年の歴史があるとされる。昨年5月の神事は土壁を撤去して実施し、参加した馬にけがはなかった。