【南牟婁郡】御浜町下市木の国道42号で夜行バスが防風林に衝突し、運転手が死亡、乗客21人が搬送された事故で、紀宝署は24日、バスを運転していた橋爪悟司さん(57)=埼玉県川越市=が心臓の病気が原因で亡くなったと発表した。
県警によると、事故は22日午後8時半ごろ発生。バスは片側1車線の直線道路で、中央線をはみ出して国道脇の防風林に突っ込んだ。搬送された乗客の一部は骨折などの重傷とみられる。
現場付近に目立ったブレーキ痕はなかったといい、県警は、橋爪さんが事故直前に突発的に心臓の病気を発症し、ハンドル操作を誤った可能性があるとみて、事故原因を調べている。
運行する西武観光バスによると、バスは事故前日の夜にさいたま市内を出発し、翌朝、和歌山県那智勝浦町に到着。同日午後7時半ごろ、同町を出発した。2時間ごとに運転を交代するため、運転手は2人乗っていた。
橋爪さんは同町到着後に約9時間半休息し、乗務前の点呼で体調不良の申告はなかった。勤続約19年で事故歴はなく、昨年の健康診断で事故につながるような持病は確認されなかったという。
また、県警は24日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで、西武観光バスの大宮営業所(さいたま市)を家宅捜索。押収した資料などから、バスの運行状況や運転手の勤務状態などを調べる方針。