
【尾鷲】三重県尾鷲市向井の商業施設「おわせマルシェ」が13日、開業4周年を迎えた。少子高齢化が進む地域で「人と人をつなぐ場」として、住民らを巻き込みながら独自の進化を遂げている。
おわせマルシェは令和3年、中部電力尾鷲三田火力発電所の旧防災倉庫に誕生。オーナーの小倉裕司さん(34)が市民の手を借り、約5カ月かけて雑貨店や洋食屋などを備えた施設に仕上げた。
県立熊野古道センターで令和元年まで年1回開いた青空市「おわせマルシェ」が由来。実行委員長だった小倉さんが「市民らの商品を毎日販売したい」との思いで、常設店舗として開業した。
開業当初は、地元事業者の食品や作家のアクセサリーなどを陳列。事業者や作家の個性を消さぬよう、施設自体の「無色透明化」を図るも、月1回の季節にちなんだ企画が盛況だったという。
近年は不定期でライブや陶器市、は虫類を語る会など多彩なイベントも展開。昨年4月にハンバーガー店、今月には古着屋を開店するなど、人脈を駆使した独特な空間を日々生み出している。
挑戦の原動力は「尾鷲で体験できないことを提供したい」一心。小倉さんは「尾鷲に還元できることは何か、仲間たちと常に考えている。5周年に向けてさらに前進していく」と話している。
マルシェで23日午前11時から、4周年記念祭を開く。雑貨や飲食など17店舗が出店するほか、子ども向けの縁日も開催。尾鷲節の和太鼓演奏、約1俵分の餅まきなども予定している。
