
【鈴鹿】1月に開催したテニスの国際大会、全豪オープンのデフテニス部門に出場し、女子シングルスと女子ダブルスの2種目で優勝した三重県の鈴鹿市出身の菰方里菜選手(22)=同志社大4年=が19日、同市役所で末松則子市長に今後の抱負などを語った。
大会には世界で選ばれた8人が出場。菰方選手はシングルスで2連覇を達成し、ダブルスでは台湾の選手とペアを組んで全勝した。現在の世界ランキングは4位。
菰方選手は先天性の聴覚障害があり、6歳からテニスを始めた。4月からは島津製作所に就職し、実業団チームに入るほか、11月に日本で初開催する聴覚障害者の国際大会「東京2025デフリンピック」への出場が内定する。
来庁した菰方選手は「2連覇がかかっていたので緊張した。優勝はうれしかったが、半分はほっとした」と試合を振り返り、初のデフリンピック出場に向けて「(3種目あるので)全種目で金メダル目指して頑張る。県代表として活躍することで、デフスポーツを盛り上げたい」と意気込みを語った。
デフテニスでは、補聴器を外して試合に臨む。菰方選手は「音がない方が集中できるので、自分の強さが出せる」と競技の魅力について話した。
末松市長は「菰方選手の活躍が市民に力や希望を与えてくれる。多くの応援を糧に優勝目指して頑張って」と激励した。