
【津】三重県津市美杉町に群生するミツマタを手すきした「美杉和紙」の卒業証書が完成した。平成30年から活動する「ミツマタを活(い)かした地域づくり協議会」(岸野隆夫会長、会員18人)の設立当初からの目標で、19日の市立美杉小の卒業式で10人の卒業生に手渡される。
式を前に14日、岸野会長(71)らが、津市役所に前葉泰幸市長を訪れ、完成と日頃の活動を報告。岸野会長は「設立から3年間市の補助金を頂き紙すきの道具をそろえた。材料作りに半年かかり大変だが丁寧さを大事にしている」と見本を手渡した。また、昨年から同町の北畠神社で授与する美杉和紙の特別御朱印や、道の駅で販売するはがき類を紹介。試作品のあんどんを贈った。
前葉市長は「(卒業証書や御朱印は)いい記念になる」と評価し「津市から出す(協定などの)証書に美杉和紙を使えるといい」と述べた。
ミツマタはジンチョウゲ科の落葉樹。同町石名原の群生地は約1万5千平方メートルで、山林を所有する岸野会長の父親が昭和30年ごろに植え、間伐により広がった。同協議会は平成30年からミツマタを資源に材料作りや美杉和紙の製作、紙すき体験などを実施している。