▼知人の案内で先日、津市の香良洲海岸近くに鎮座する香良洲神社を初めて訪れた。天照大神の妹神を祭る神社と聞いたとき、有名なきょうだいのスサノオノミコト、ツキヨミノミコトのうち、ツキヨミを祭っているのかと思ったが、調べるとツキヨミは男神らしい。行ってみると「稚日女尊(ワカヒルメノミコト)」が祭神であり、天照大神にそのような妹がいたことを知った
▼同神社関係者に尋ねると、稚日女尊は古書に記述はあるもののはっきりしない部分が多く、天照大神本人との見方もあるが、同神社では妹神として祭っている、との返事
▼同神社によると、稚日女尊は女性の守護神とされ、約1400年前に生田神社(神戸市)から勧請して祭った。同尊は機織りと関係があることから紡績業界からの信仰、神功皇后(第14代仲哀天皇の皇后)の軍船を守護し導いたという神話から航海の神・海の守り神としても信仰されているという
▼同神社にも伊勢神宮同様、20年に一度、本殿と拝殿を建て替える「式年遷座」があり、次期遷座の御敷地には、幹の形が豊満な女体を連想させる大木がご神木としてある。昔から「子宝の木」と言われ、最近でも病気平癒や赤ちゃんを授かるなど霊験あらたかなパワースポットになっているという。案内役らの話では、同神社に参拝して病気が治った県外の夫婦が、感謝して毎月お参りに来ては清掃奉仕をして帰るそうだ
▼今秋には県内で「全国豊かな海づくり大会」が開かれる。美しい香良洲海岸の散策と共に、県都津市に座する海の守護神を一度訪ねてみてはいかが。