▼50代女性がマッチングアプリで知り合った相手に金の投資を勧められ暗号資産約1600万円分を、60代男性がウイルス感染を装ったパソコン画面をきっかけに電子マネー約100万円分を、それぞれだまし取られた―。詐欺被害が後を絶たない
▼男性は「不審に思い、男に詐欺であるかを尋ねたところ、詐欺だと言われたという」。珍しい事例だが、被害者はだまされていると気付けない
▼注意点は何か。四半世紀前に発覚した旧石器捏造(ねつぞう)事件が参考になる。縄文時代の遺跡から採集した石器を、自ら埋めて自ら掘り出し、旧石器時代の石器と偽って「大発見」を自作自演していた
▼「当事者たちのだれしも、なぜ二十数年間にわたって捏造が見破られずにつづけられたのかという疑念にたいする回答として、①巧妙な捏造の手口、②学会の期待に沿った新たな資料の発見、③藤村に対する妄信、を自己検証報告にあげている」(松藤和人「検証『前期旧石器遺跡発掘捏造事件』」雄山閣)
▼巧妙な手口、もうかる期待、相手への妄信―に警戒しなければならない
▼逆から言うと、人をだます方法となる。