伊勢新聞

男性説得し特殊詐欺被害防ぐ 東海労金支店に感謝状 三重県警熊野署

【奥山署長(右)から感謝状を受け取った生川支店長=熊野署で】

【熊野】特殊詐欺被害を防いだとして、三重県警熊野署は11日、熊野市木本町の東海労働金庫(生川進支店長)に感謝状を贈った。奥山幸伸署長は「こうして被害が一つ止まった」と感謝している。

生川さんは2月20日午前9時50分ごろ、ATM(現金自動預払機)を掃除中に、80代男性から操作方法を尋ねられ、送金理由を確認すると「3億円もらうために必要だ」と答えた。

不審に思った生川さんが携帯電話を調べたところ、NPO法人「消費者支援機構」の職員を名乗る人物から「2千ポイント送金すれば、3億円を振り込む」とするメールが大量に届いていた。

相手に口座番号を伝えるなど完全に信じ切っていたといい、3―40分かけて説得。警察への相談をためらう男性に「嫌な顔一つせず、対応してくれますよ」などと声をかけ、110番した。

生川さんは「お客さまの資産を守ろうと、普段から警察と連携を取っていた。これからも同様に対応する」と話した。男性には今後、一度口座を解約し、口座番号を変更するよう伝えたという。