
津市拠点の社会人硬式野球クラブチーム「三重高虎BC(ベースボールクラブ)」(松下立美部長)のヘッドコーチに今年から、藤井学園寒川高(香川)、法政大などでプレーし、都市対抗野球26回・日本選手権13回の出場を誇る企業チーム「Honda鈴鹿」で主将も務めた大城戸匠理(おおきど・しょうり)さん(33)=鈴鹿市=が就く。
10代から40代まで幅広い年齢、職業の選手らで都市対抗野球・日本選手権初出場を目指す同チーム。「練習量では企業チームに勝てない。まずは意識のレベルを上げたい」と話し、全力疾走やカバーリング、ハイタッチ・ロータッチなどのコミュニケーションの徹底などで意識改革を促したいと語る。
兵庫県出身の大城戸さんは、巧みなバットコントロールと俊足を武器に高校、大学と全国レベルで活躍した。法大4年時に日米大学野球で代表入り。プロ野球のドラフト候補にも名を連ねた。
社会人野球入り後は相次ぐけがに悩まされ、28歳でユニホームを脱いだ。その後約3年社業に専念した後、生命保険会社に転職した昨年、三重高虎BCが主催する少年野球大会に出場チームの関係者として参加したことが縁で、同チームの松下真也副部長からコーチの打診を受けた。
本格的な指導の経験はなかったが「育ててもらった野球への恩返し」と就任を快諾した。仕事や学業の合間を縫い、硬式野球を続ける選手の姿に「ロマン」を感じたことも大きかったという。「『やり切った』と思える形で野球を終えてもらうのが究極の目標」と語り、できる限りの支援を誓っている。
