伊勢新聞

津地裁新庁舎完成、10日から執務開始、傍聴席増、バリアフリー化

【裁判員裁判などで使用される新庁舎の法廷=津市中央で】

庁舎の老朽化などに伴い、敷地内での建て替えが進められていた津地方・家庭・簡易裁判所の新庁舎(三重県津市中央)がこのほど完成し、6日、報道関係者に公開された。10日から執務を始める。

津地裁によると、新庁舎は鉄骨鉄筋コンクリート造りで地下1階、地上五階建て。延べ床面積は旧庁舎のおよそ1・2倍となる約9600平方メートルで、総工費は約53億円。

新庁舎の外観は道路の向かいにある津城跡の瓦や石垣に合わせ、白と灰色を基調にした。法廷内にある座席の座面や背もたれは、城跡の木々をイメージしたという明るい緑色を用いた。

裁判員裁判が開かれる最も大きな法廷の傍聴席は席数を48席から84席に増やした。民事調停などに使う手続室も増室。天井の高い法廷を2階に集中させて段差を減らすなど、バリアフリーにも配慮した。

市原義孝津地方・家庭裁判所長は「裁判所のデジタル化や働き方の多様化などに対応した新庁舎が完成した。国民にとって身近で利用しやすく、信頼される裁判所を目指す」とコメントした。

また、旧庁舎や仮庁舎の取り壊し工事が始まるため、敷地内の駐車場は障害者用の2台分を除いて11月ごろまで利用できない。津地裁は来庁者に公共交通機関や周辺の有料駐車場を利用するよう呼びかけている。