三重県議会予算決算常任委員会(小島智子委員長、45人)は7日、来年度一般会計当初予算案などへの総括質疑を実施した。任期満了(9月12日)に伴う知事選が今秋に予定されつつ「骨格予算」にしなかった理由を問う声が上がった。
舟橋裕幸委員(新政みえ、8期、津市選出)は「知事選のある年は、新たに誕生する知事が訴えたことを反映できるよう、当初予算を骨格予算とした過去がある」とした上で「知事は今回、骨格予算を組もうとする気はなかったのか」と尋ねた。
一見勝之知事は予算編成に当たり、後田和也総務部長から「秋の知事選であれば、必ずしも骨格にする必要はない」との返答を受けたと説明。後田部長は「骨格予算で県政を停滞させるわけにはいかない、ということもある」と述べた。
また、舟橋委員は財政健全化が進む中でも県債発行額が前年度比7億円増の776億円に上ると指摘。「財政的に余裕があるなら、県債発行を抑えるべきでは。水ぶくれをして、風船のような予算になると危惧している」と述べた。
一見知事は金利の上昇や公共施設の老朽化などに伴う将来的な負担増への懸念を示した上で「野放図に予算を増やして良いわけはない。今後も財政規律を守る」と返答したが、舟橋議員は「県債の発行だけは抑えるべきだった」と指摘した。
このほか、石田成生委員(自民党、4期、四日市市)は、県が人口減少対策の一環として来年度から注力する経済分野でのジェンダーギャップ解消について「人口減少との因果関係があるとは言えないのでは」と指摘した。
その理由について「戦後からジェンダーギャップの解消が進む中でも少子化は進んでいる」などと説明。県が「全国46位」と強調する経済分野のジェンダーギャップ指数も「競争すれば、どこかが最下位になる」と指摘した。
これに対し、一見知事は「戦後は人口ボーナス期だったが、今は人口オーナス期。子どもにかけるお金も当時とは違う」と返答。「このままでは若い女性が県外に出て行く」などと述べ、ジェンダーギャップ解消の意義を強調した。
この日は津田健児(自民党、6期、四日市市)、中川正美(自民党、11期、伊勢市・鳥羽市)、荊原広樹(新政みえ、1期、名張市)、中瀬信之(新政みえ、2期、度会郡)、倉本崇弘(草莽、3期、桑名市・桑名郡)、山内道明(公明党、3期、四日市市)、吉田紋華(共産党、1期、津市)の各委員も質問した。