伊勢型紙伝承へ成果発表 鈴鹿の技術保存会、作品展示や彫刻実演 三重

【多くの来場者でにぎわう会場=鈴鹿市飯野寺家町の市文化会館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市の重要無形文化財保持団体、伊勢型紙技術保存会(今坂千秋会長)は6日、同市飯野寺家町の市文化会館さつきプラザで「令和6年度伝承者養成事業成果発表会」を開き、1年間に彫った型紙や伊勢型紙で染めた反物など約50点の展示、彫刻4技法と糸入れの実演をした。9日まで。入場無料。

伊勢型紙の4技法と糸入れは、伝統的工芸技術として国の重要無形文化財に指定されており、同会は令和5年に国の認定を受け、会員が指導する伝承者養成講座を通した技の保存と継承に務めている。

現在は会員のほか、伝承者、研修者など20―80代の計31人が技術力別の4クラスに所属。生徒らは年間80回の講座で技術力向上に励み、伊勢型紙彫刻師を目指す。

会場では「技術(わざ)にふれる」をテーマに、伊勢型紙や型紙で染めた反物などを来場者が実際に手に取り、染めの技術や文化を体感できるコーナーを設けたほか、「突彫」「道具彫」など4技法を使った力作の数々などを展示。訪れた来場者でにぎわっていた。

8―9日は群馬県伊勢崎市の染師、菊地宏美さんによる型染めの実演がある。

今坂会長(68)は「若い感性で古典的な図柄が現代的によみがえるとともに、技術を継承しているところを見てもらえれば」と話していた。