伊勢新聞

自然の風景、和紙に表す 三輪さん写真展 伊勢のギャラリー

【伊勢和紙を使った風景写真展を開いた三輪さん=伊勢市大世古の伊勢和紙ギャラリーで】

【伊勢】伝統工芸の伊勢和紙を使った写真展「風の香り」が、三重県伊勢市大世古の大豊和紙工業伊勢和紙ギャラリーで開かれている。相模原市の写真家、三輪薫さん(76)が全国各地の自然の風景を撮影し、和紙に表した33点を展示した。30日まで。

春の高原や晩秋の湖畔、渓谷など各地の四季の風景を、ぶれさせたり、ぼかす技法を使って独自の視点で切り取り、原料やすき方が異なる多様な和紙に印刷した。長野県飯綱高原の大池で撮影した作品は、2・5畳ほどの「五八判」(縦1・5メートル、横2・4メートル)と呼ばれる手すき和紙を使い、水面のゆらぎや反射した太陽の光を幻想的に捉えている。

三輪さんは20年以上、伊勢和紙を使った作品づくりに取り組み、同館でも度々作品展を開催。今回は、昨年春に東京都のギャラリーで開いた作品展の巡回展で、新作を加えて展示した。「現地の空気感を表現するには、和紙の柔らかな風合いがあう。風にそよぐ花や草木、水面のゆらぎ、その場の風の動きを感じてほしい」と話していた。日曜休館(最終日は開館)。