【津】三重県立伊勢工業高生が、県立盲学校(津市高茶屋4丁目)の寄宿舎の触察模型を製作した。もの作りを通じて地域の課題を解決する同高の取り組み「高校生工務店」の一環。製作した3年の卯辰考平さん(18)が5日、奥山敦弘校長らと盲学校を訪れ、木製の模型を披露した。
盲学校と聾(ろう)学校は令和9年度からの使用を目指し県立城山特別支援学校(同市城山1丁目)の隣接地に整備を進めており、3校の寄宿舎が統合され一足早く昨年4月に新築移転している。
盲学校では視覚障害のある生徒が部屋の配置や全体像を把握できるよう、模型の製作を同高に依頼。卯辰さんが昨年8月に現地を下見し、図面を参考に試作品を製作し意見交換を重ねて完成させた。
模型は約100分の1サイズで、2階部分がスライド式に動かせる作り。触察模型に初めて挑戦したという卯辰さんは「第一に触りやすく強度や安全性が高いものを作ろうと思った。実際に触ってもらえたら」と述べ、高1の松葉大空さん(16)と寄贈のプレートを取り付けた。
模型は寄宿舎の共有場所に置かれる予定で、高2の西口英輝さん(17)は「模型を触り実際に歩いてみてどんな配置か発見していきたい」と謝辞した。