カスハラ対応マニュアル策定へ 三重県、通話録音も

一見勝之三重県知事は5日の定例記者会見で、県職員に対するカスタマーハラスメント(カスハラ)の対策を発表した。県民などへの対応方法を定めた職員向けの「対応マニュアル」を策定する。

県によると、対応マニュアルにはカスハラの定義に加え、カスハラに当たるかどうかの判断基準やカスハラへの具体的な対応などを明記する見通し。今夏にも策定し、来年度中にも運用する。

本庁や地域庁舎の電話には通話録音機能を設ける。これまで全職員の名簿を県のホームページに掲載してきたが、今後は課長級以上に限定。冊子の職員録は作成や販売を取りやめる。

県が職員に実施したアンケートでは、全職員の約7%に当たる270人が昨年度中にカスハラを受けたと回答。内容の最多は「暴言」で221件。「時間拘束型」の192件が続いた。

職員への影響は「怒りや不満、不安を感じた」が最多で227件。「業務が逼迫(ひっぱく)し、時間外勤務が生じた」の187件が続いた。「通院や服薬をした」(21件)などもあった。

カスハラを受けた際に所属していた部局は、県土整備部が最多で68件。環境生活部の46件、子ども・福祉部の36件が続いた。カスハラを受けた職員の性別や年代は集計していない。

一見知事は「アンケートによって、さまざまなカスハラが確認された。長時間にわたる電話への対応を終えるタイミングなどをマニュアルで示すことが大事。職員を守る必要がある」と述べた。