紀宝町、一般会計74億円 新年度当初予算案 9・9%増、合併後最大規模

【当初予算案を発表する西田町長=紀宝町役場で】

【南牟婁郡】三重県紀宝町は4日、令和7年度当初予算案を発表した。一般会計は総額74億6435万4千円(前年度比9・9%増)で、平成18年の旧2町村合併後最大規模となった。

記者会見で西田健町長は「町民が住み続けたいと思う魅力あるまちづくりを進める」と強調。教育・子育て環境の充実や防災・減災など令和4年の市長選公約に掲げた5本柱に重点配分した。

歳入は、定額減税の終了などの影響で、町税は7・3%増の10億1966万4千円を見込む。町債は10・7%減の6億1450万円に縮小し、給食センター改修事業の終了が大きい。

歳出は、人件費の高騰などに伴い、義務的経費の総務費は23・2%増の12億3734万9千円。災害復旧費は9200%増の2億8060万4千円で、林道の災害復旧工事に充てる。

主な事業として、鵜殿など3地区に避難路を示す蓄光式誘導看板を整備する事業に269万5千円を計上。骨密度や血液を検査する「健康まつり」事業に121万9千円を盛り込んだ。

社会福祉法人「和歌山県福祉事業団」が町内に設ける障害者グループホームに係る補助金(300万円)では、建設費や備品購入費を一部負担。令和8年4月の事業開始を目指す。場所は未定。

鵜殿運動場テニスコートの改修費に2859万6千円を計上。全5面の人工芝を張り替える。来年1月に迎える合併20周年事業(799万5千円)は、記念式典や講演会を開く。

災害避難時のタクシー利用料助成事業(30万円)では、要支援者のタクシー片道利用に最大3千円を助成。町福祉センターの受変電設備やエレベーターの改修費1071万7千円も盛った。

町は令和7年度一般会計当初予算案を含む議案28件、諮問1件を2月26日開会の市議会定例会に上程した。会期は28日まで。一般質問は11日からで、町議6人が登壇する予定。