伊勢新聞

津高生に医師経験を語る OBの三重大学長・伊藤氏が講演

【生徒に経験を話す伊藤氏=津市新町の県立津高で】

【津】三重県津市新町の県立津高校同窓会(飯田俊司会長)は3日、同校で卒業生による講演会「有造塾」を開催した。三重大学長で医師の伊藤正明氏(70)が「これから社会で活躍する津高生へのメッセージ」と題して話し、1、2年生640人と同窓生約30人が聴講した。

伊藤氏は同校から三重大医学部を卒業後、病院勤務や研究員を経て米国で基礎研究を学び成果を上げた経験を話し、諦めずに貫くことの大切さを説いた。

世界人口が増加する一方で日本は人口減少が進んでいるとして「これからは自分で考え行動することが必要」と強調。英語力やさまざまな教養、人とのコミュニケーションに加え「心身とも終生健康であることが大事」と述べた。

1年の中嶋梨帆さん(16)は「将来は地域に根差した仕事をしたいが進路に関して三重でできることは限られていると思っていた。先生の話を聞いて『三重でもできる』と思ったので今後は視野を広げて考えたい」と感想を話した。

「有造塾」は平成23年度から開き今回が11回目。江戸時代の津藩藩校有造館の校舎を同校前身の津中学が引き継いだことに由来する。