閉校を前に「さよなら運動会」 紀北町の矢口小、児童と卒業生思い出作る 三重

【全校リレーで熱戦を繰り広げる児童ら=紀北町矢口浦の矢口小学校で】

【北牟婁郡】今月末で閉校する三重県紀北町矢口浦の矢口小学校は2日、児童と卒業生による「さよなら運動会」を開いた。約300人が長年親しんだ母校で汗を流し、最後の思い出づくりに励んだ。

同小は明治10年11月創立。昭和33年に181人いた児童は、現在2―5年の12人まで減少。来年度から同じ潮南中学校区の相賀小に統合再編され、一部の児童は上里小に通学する。

開会式で藪中一浩校長は「力を合わせて絆を深め、楽しい思い出をつくって」とあいさつ。参加者らは赤組と白組に分かれ、昨秋の運動会で雨天中止となった全校リレーなど10種目に臨んだ。

午前9時半ごろ、霧雨が上がった晴天の下、児童らによる綱引きで幕開け。菓子取り競争や障害物走で校庭を全力で駆けた後、そろいの法被を着て和太鼓と民謡「南中ソーラン」を披露した。

同小や地区の歴史を問う○×クイズでは「創立当初の校舎は善光寺の本堂だった」「学校横の公民館にハンカチ工場があった」(いずれも○)などが出題され、参加者は地元愛を再確認した。

親子2代で卒業生の小川清彦さん(83)と清士さん(50)は久々の来校だったといい、2人は「このにぎわいを見ると、昔を思い出す。児童は減ったが、競技は当時のままで楽しめた」と話した。

閉会式では児童らが担任2人にサプライズで金メダルを贈呈。児童が1人ずつ感謝の言葉を述べると「みんな一生懸命でうれしかった」と涙を浮かべた。30日には閉校記念式典が開かれる。