伊勢新聞

陸上の杉本、「箱根」目指す 高田高を卒業、駅伝名門の中大に進学 三重

【卒業証書を手に陸上競技部の乙部監督と記念撮影する高田高・杉本(右)】

三重県内の多くの高校で卒業式が行われた1日。津市の高田高校では陸上競技部3年の杉本憲亮(けんすけ)=松阪市立久保中出=が学び舎をあとにした。文武両道で、三重の高校長距離界をけん引してきた18歳は、卒業後、箱根駅伝の出場回数最多(98回)の中央大に進学。今年1月の箱根駅伝で総合5位。同期入学も、5000メートルの持ちタイム世代トップの濵口大和=長野・佐久長聖高=らそうそうたる顔ぶれだが、「箱根駅伝に出場し、区間賞を獲ることを目標に頑張って行きたい。記録でも実績でも自分は下だが『底』からはい上がっていければ」と話す。

毎年11月の県高校駅伝で各校エースが火花を散らす1区を高2から担当し、2年連続区間1位。昨年11月には東海高校駅伝で1区区間賞に輝いた。1月恒例の全国都道府県駅伝でも高2から1区を任されるなど三重県の「顔」で活躍した。

教員志望と言うこともあり、高校では3年制の特別選抜クラスに在籍し、学年トップの成績を収めたことも。午後の練習だけの部活動も手を抜かず、高2夏の北海道インターハイ男子3000メートル障害で高2歴代6位の記録で7位入賞し、一躍注目を集めた。

同種目で日本一を目指した昨年夏の福岡インターハイは予選途中で足首を痛め、無念の途中棄権。「皆に合わす顔がない」と、陸上部の乙部公伸監督のスタンドからの呼びかけも振り切り、痛む足を引きずって走ったが、ほどなく走行不能となった。

三重へ帰る足取りも重かったが、出迎えたチームメートの温かさに救われ、「結果で恩返ししよう」と駅伝シーズンに向けて奮起した。これからも、仲間への思いを力に変える。「高校時代に見せられなかった『良い姿』を大学で見せることができれば。自分の走りで、後輩や同級生に頑張ってもらえるよう頑張りたい」

【東海高校駅伝で1区を走り区間トップでタスキをつないだ高田高・杉本=昨年11月、岐阜県で】