
【いなべ】三重県いなべ市大安町丹生川上の大安工業の敷地内で、毎週水曜日にだけ営業する駄菓子店がある。店名は「だがしやヤッホー」。今年1月にオープンし、営業時間は午後3時から4時半までだが、1日平均で100人が訪れるという。
同社の社員用のプレハブ食堂が、いっときだけ駄菓子店に様変わりする。グミやチョコレート、スナック菓子…。80種類以上の菓子がずらりと並ぶ。
店を開き切り盛りするのは、大安町の丹生川地区で小学生の子どもを持つ母親ら3人。開店前から数人の客が待っていて、オープンすると同時に次々と人がやって来る。友達と連れだって来た小学生や親子連れ、中には高齢者の姿もある。セルフサービスで1杯150円のコーヒーも提供していて、コーヒーを飲みながら談笑する女性たちもいた。菓子を選んでいた小学生は「水曜日にここに来るのが楽しみです」と話した。
店主の1人、服部純子さんは、地区内は少子高齢化が進み、地域のつながりが薄くなってきていると感じていた。近くに商店もなく、子どもの足で行ける店、世代を超えて人が集まれる場所を設けたかったという。
そうした服部さんの思いに、同社の日沖将康専務取締役が応えた。場所を無償で貸し、店に来る子どもたちのためにと、食堂の入り口付近に日よけと風よけを設けた。また、四日市市別名の若林塗装(若林祐介社長)がスポンサーとして出資してくれ、菓子を買いそろえることができたという。
「だがしやヤッホー」は、地元の鴨神社(同町丹生川上)の神事「屋奉松明(やほたいまつ)」をもじって名付けた。服部さんは「同じ地域に住んでいても知らない人もいる。店が子どもたちの居場所、地域の人同士が出会える―そんな場所になれば」と話した。
三岐鉄道三岐線丹生川駅に隣接する貨物鉄道博物館(同町丹生川中)の開館日に合わせて、3月2日から毎月第1日曜日(午前10時―午後4時)に、同博物館前の広場にも出店する(雨天の場合中止)。