伊勢新聞

加藤市長が出馬表明 尾鷲市長選、3選目指す 三重

【3選に向けて立候補を表明した加藤市長=尾鷲市議会議場で】

【尾鷲】尾鷲市の加藤千速市長(76)は25日の市議会本会議で、6月1日告示の市長選(同8日投開票)に、3選を目指して立候補すると表明した。同市長選の出馬表明は加藤氏が初めて。

加藤氏は「財政状況の厳しさを痛感しつつ、あらゆる策を講じて危機を乗り越えた」と2期目を振り返り、「町の活性化と市民生活の向上への数々の計画は、具体的になってきた」と訴えた。

続けて「今計画中の全ての事業の完成を見るには、まだ3年余りの年月がかかる」と強調。市の再生を掲げて「大きな実を結ぶよう、引き続き全身全霊で市政運営に当たる覚悟」と決意した。

3期目では、大型製材工場の誘致実現を始めとする産業振興、市立尾鷲総合病院(上野町)など地域医療体制の確保、ふるさと納税事業の拡充を中心とする財政の健全化を主要政策に掲げた。

表明後の報道陣への取材に対し、出馬の背景に後継指名の断念と継続する大型事業を挙げた。意思を固めたのは「1月下旬」とし、3期目は「徹底した市政の集大成」と位置付けて挑む構え。

加藤氏は同市九鬼町出身で、昭和47年に慶應義塾大学商学部を卒業後、阪急百貨店の役員などを務めた。平成29年6月の市長選で元市議との一騎打ちを制して初当選し、現在2期目。