一見知事、進退の言及避ける 三重県議会代表質問

【(右から)服部富男議員と日沖正信議員】

三重県議会は25日、服部富男(自民党、6期、三重郡選出)、日沖正信(新政みえ、7期、いなべ市・員弁郡)の両議員が代表質問した。一見勝之知事が令和7年度当初予算案の愛称に「基礎固め」との言葉を用いたことについて、日沖議員は「次のステージに向けた思いを込めたのでは」と述べ、任期満了(9月12日)を控えた一見知事に進退を尋ねた。一見知事は「基礎を固めた上に建物を築くのは誰なのかは、これからの話」と述べ、進退への言及を避けた。

インバウンドの振興策は

 服部 富男議員(自民党)

県内でコロナ禍からの回復が遅れているインバウンド(訪日観光)の振興策を尋ねた。観光部は海外で発信力のあるインフルエンサーを活用するなどして県の認知度を高める考えを示した。

【海外誘客】

服部議員 インバウンドを推進するには、県内にある観光資源の認知度を向上させる取り組みが非常に重要。私たちも有志で1月にタイを訪れたが、県や日本のPRは中国に押され気味だった。どう進めるのか。

生川観光部長 まずは三重に関心を持ってもらうことが必要。宿泊予約サイトなどを通じた情報発信を拡充し、強い発信力を持つインフルエンサーも活用する。三重ならではの観光や物産、食を一体としたプロモーションも進める。

【地方創生】

服部議員 石破総理は施政方針演説で「地方創生2・0」や「令和の日本列島改造」に向けた五本柱を掲げ、新年度予算案の関連予算には前年度の2倍となる2千億円を計上した。地方創生に対する知事の考えは。

知事 石破総理は所信表明で地方創生を大きく取り上げた。この中で石破総理が言及した人や企業の地方分散などは、県が国に提言してきた内容と同じ。県も克服すべき課題に愚直に向き合い、未来を広げる取り組みを積極的に進める。

ジェンダー平等へ策は

 日沖 正信議員(新政みえ)

県が弱点と位置付けるジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを尋ねた。一見知事はジェンダーギャップ解消の戦略を策定するため、年度内にも有識者会議を立ち上げる考えを示した。

【当初予算】

日沖議員 知事は1期目の最終年度で、令和7度当初予算案を「みえ未来基礎固め予算」と名付けた。「基礎固め」には次なる4年への熱い思いが込められていると誰もが感じると思うが、そう受け止めて良いか。

知事 知事に就任してから3年5カ月で自分なりに見えてきた三重の課題を解決し、強みをさらに伸ばす基礎を固める必要があると考えた。基礎をしっかりと固め、その上に強固な建物を築く。それが誰なのかは、これからの話だと思う。

【県外流出】

日沖議員 県のジェンダーギャップが若年女性の県外流出につながっていると言われるが、県はこれまでも女性活躍の取り組みや企業誘致を進めてきた。これまでの取り組みをどう捉えた上で、どう取り組むのか。

知事 ジェンダーギャップは三重の弱み。なんとかして解消しなければならないが、行き当たりばったりでは一過性になる。弱い理由を分析し、すべきことを考えるために戦略を作ろうという話をしている。年度内に有識者会議を開きたい。