菰野町、一般会計159億9000万円4・6%増 新年度予算案発表、過去最大規模 三重

【新年度予算案を発表する諸岡町長=四日市市役所で】

【三重郡】三重県菰野町は25日、新年度予算案を発表した。一般会計は、前年度比4・6%増の159億9千万円で、過去最大規模となった。第6次町総合計画に掲げる基本構想の実現と基本目標の達成に向けた編成を行った。3月3日開会の町議会定例会に上程する。

歳入では、町税は同比7・8%増の63億3603万5千円を計上。地方交付税は同比7・3%増の24億9千万円、財政調整基金繰入金は4億7千万円を計上した。

歳出では、義務的経費は、給与改定による人件費増、児童手当、障害者介護給付費や私立保育所等運営負担金の増加などによる扶助費増により、同比6・6%増の77億3405万6千円となった。投資的経費は、消防指令システム等整備事業、保健福祉センター空調設備改修事業、菰野富士環境整備事業、千種幼保園長寿命化等改修事業に係る工事費等により、同比35・7%増の18億499万8千円となった。

記者会見した諸岡高幸町長は「昨年6月にいなべ市と定住自立圏形成協定を結び、令和17年度開設を目標に清掃センター建設を進めるなど、広域連携を進めている。本年度に3人、地域活性化企業人の方に来ていただき、観光を中心に活動してもらっているが、新年度に4人来ていただき、合計7人でインバウンドを含む観光、ふるさと納税の仕組み作りも含む事務改善、林業経営の分野で活動してもらう」と述べた。その上で「人と地域の連携で地域をいかに活性化していくかという予算で、今後の町の行政のあり方の礎を築けたらと思って組んだ。観光を中心とした町の活性化が最重要課題であり、町民の皆さんに喜んでもらえるように、親日的な台湾からの誘客や町内を周遊する旅行商品の企画などを進める」と語った。

菰野町の主な事業は次の通り。

◆DX推進事業(住民対応AI、RPA、庁内DX)(1889・2万円)
代表電話にAIボイスボット、総合案内にAIアバター接客システム、町ホームページにAIチャットボット、定型業務にRPA導入。民間企業のノウハウを生かして庁内DXを推進し、行政事務の効率化を図る。地域活性化企業人1人配置し、ふるさと納税の仕組み作り。

◆高齢者帯状疱疹ワクチン接種事業(3308・1万円)
重症化率と致死率の高い高齢者に対して帯状疱疹ワクチンを接種。発病化、重症化を予防。

◆妊婦支援給付金支給事業(2955・8万円)
妊娠届出時と妊娠八ヶ月面談時の胎児数届出時に各5万円給付。クーポン券での受け取り希望者には5万円相当ポイントに5千円ポイントを上乗せしてカタログギフト方式で給付。

◆学校給食センター整備事業(859万円)
民間の知恵も借りながら令和十年9月開設予定で給食センター整備。令和八年度から25年度まで90億円の債務負担行為を設定し、用地取得、設計、施工、運営を進める。

◆廃棄物処理施設広域化整備事業(1492・4万円)
いなべ市との定住自立圏形成協定に基づき、廃棄物処理施設の広域化に取り組み、施設の機能強化とコスト削減を図る。いなべ市内、青川峡付近に令和17年度開設を目標に整備計画。

◆名勝地総合調査事業(457・6万円)
国指定・国登録を受けるために「御在所岳を主峰とした鈴鹿山脈」の名勝・景勝を調査し、地域資源の新しい活用を図る。観光を中心に誘客、各産業の活性化。

◆菰野町魅力向上事業(1380万円)
町内を周遊する新たな旅行商品を企画、観光事業者などと連携して商品開発を行い、観光客の増加につなげて町内での消費活動、地域の活性化を図る。

◆インバウンド推進事業(2193・5万円)
町の活性化が目的。台湾についての講義を観光関係者に行うとともに、先進地視察などにより台湾の人のニーズの把握、受け入れ体制を構築し、インバウンド誘客の促進を図る。

◆菰野富士環境整備事業(1億5000万円)
菰野富士の四季の彩りを楽しめるように、バリアフリー遊歩道の整備工事を行う。